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交通事故に遭って鼻に障害が出た場合の後遺障害・慰謝料は?

鼻の交通事故後遺障害のイメージ

偶然の交通事故によって、後遺症を患ってしまった場合にはどのような補償がされるのでしょう。ここでは交通事故を原因に「鼻の後遺障害」を負った場合の後遺障害認定について見ていきます。
もし仮に交通事故で鼻に障害を負ってしまったら、まずはここで障害について、また後遺障害認定について確認をしてください。そして適切な対応を受けられるようにしましょう。

 

■鼻の機能と機能障害

 

あまり意識している人は少ないですが、鼻にはいくつかの機能があります。代表的なものとして、まず「嗅覚」です。嗅覚とは食べ物などの臭いをかぐ機能のことを言います。不審な臭いなどを感じて、いち早く危険を察知する場合にも用いられる機能です。

 

また「加湿・加温機能」もあります。この機能は肺のガスを交換するのに適した空気に変換する働きを言います。そのほか、「防御機能」もあり、大気中のウイルスが体内に入らないようにする役割もあります。

 

このように鼻はあまり意識されませんが、生命活動においては重要な役割を果たしています。そのため、万が一、機能障害に陥ると生活や仕事に支障が出てしまうでしょう。

 

そして、鼻は顔面でも認識しやすい部位になっています。そのため、もし交通事故で鼻を欠損したりすると、その醜状状態で精神的にも苦痛を感じることがあるでしょう。

 

■鼻の後遺障害の種類

 

交通事故による後遺症を患うことを「後遺障害」と言います。鼻の後遺障害の種類は、「鼻の欠損障害」「嗅覚障害」「呼吸障害」の3つがあります。

 

鼻の欠損障害

 

鼻の欠損障害とは、鼻軟骨部の全部、もしくは大部分を失う障害を言います。鼻は「外鼻」と「鼻腔」に分類ができます。このうち「外鼻」とは顔のパーツで鼻と認識される三角錐の部分を言います。この三角錐の部分は上半分が「鼻骨」、下半分が「鼻軟骨」で形成されています。したがって、鼻の欠損障害とは「外鼻の下半分」が失われた障害を指します。

 

なお、鼻の欠損障害とともに「嗅覚障害」もしくは「呼吸障害」を伴う場合にも、鼻の後遺障害として認められます。しかし、こうした機能障害が見られない場合には、「外貌の醜状障害」として判断されるケースもあります。

参考:醜状障害の後遺障害認定は?認定基準・立証方法等を解説

 

嗅覚障害

 

後遺障害として認められる嗅覚障害には、嗅覚機能が失われる「嗅覚脱失」と、嗅覚機能が衰える「嗅覚減退」の2種類があります。嗅覚脱失になると、臭いが全く判別できなくなってしまいます。また、嗅覚減退では臭いに鈍感になり、判別能力が落ちてしまいます。

 

嗅覚障害の多くは「嗅覚脱失」や「嗅覚減退」です。しかし、まれに臭いに敏感になる「嗅覚過敏」や、誤って臭いを認識してしまう「嗅覚錯誤」等もあります。

 

呼吸障害

 

呼吸困難とは、その字の通り呼吸が困難になる症状を言います。人は鼻、もしくは口で呼吸をすることが可能です。そのうち、交通事故によって鼻呼吸が困難になった場合に、鼻の後遺障害として認められます。基本的に人は鼻呼吸をする生き物であるため、鼻呼吸ができなくなると生活に悪影響が出やすいです。

 

■鼻の後遺障害認定

 

交通事故によって後遺症を負った人を救済するために、日本では後遺障害認定制度を整えています。これは被害者の慰謝料逸失利益を認める制度を言います。1級から14級まで14段階の級があり、1級に近い等級が重度の後遺障害として扱われます。

 

鼻の後遺障害では、9級、12級、14級の3つの等級に区分されています。

後遺障害認定等級

後遺障害認定の認定基準

後遺障害等級9級5号

鼻を欠損しており、機能に著しい障害を残す

後遺障害等級12級相当

嗅覚脱失または鼻呼吸困難

後遺障害等級14級相当

嗅覚減退

 

9級を認められるためには、鼻の欠損障害に加えて、機能障害、つまり嗅覚脱失もしくは鼻呼吸困難であると診断される必要があります。

 

なお、鼻の欠損が「外貌醜状」として認められることもあるようです。この場合は最大で7級まで認められるケースもあります。なお、外貌醜状と鼻の後遺障害の併合は認められません。

 

■鼻の後遺障害の立証ポイント

 

鼻の後遺障害は欠損があれば認められやすいです。しかし、「単なる外貌醜状」として軽度の後遺障害として見られる可能性もあります。したがって、鼻の後遺障害を正しく認めてもらう必要があるのです。

 

欠損障害の立証ポイント

 

鼻の欠損障害を立証するには、医師の診断が必要になります。欠損具合の診断は、医師の「視診」と「触診」によって行われます。したがって、欠損障害、外貌醜状に強い医師に診断を任せるといいでしょう。

 

また、欠損障害を立証する場合には写真やレントゲンで、その程度を証明できるようにしておくこともポイントです。

 

機能障害の立証ポイント

 

鼻の機能障害を立証するには、「T&Tオルファクトメーター」によって診断をします。この診断では段階的に強い臭いを嗅いで、嗅覚機能の脱失・減退を検査します。そして、この結果が5.6以上(嗅覚度5度)の場合には「嗅覚脱失」、2.6以上5.5以下(嗅覚度3または4度)の場合には「嗅覚減退」として診断されます。したがって、「T&Tオルファクトメーター」によって機能障害の程度を証明する必要があります。

 

■鼻の障害による慰謝料の相場

 

鼻の後遺障害認定を受けられたら、その等級に従い加害者に慰謝料請求をすることができます。慰謝料の相場は3つありますが、ここでは弁護士基準を参考に慰謝料の相場を見ていきます。(※括弧内は弁護士を利用しない自賠責保険基準の場合です)

後遺障害認定をされた等級

弁護士基準の後遺障害慰謝料

後遺障害等級9級認定を受けた場合

690万円(自賠責:245万円)

後遺障害等級12級認定を受けた場合

290万円(自賠責:93万円)

後遺障害等級14級認定を受けた場合

110万円(自賠責:32万円)

※後遺障害慰謝料には、自賠責保険基準任意保険基準弁護士基準(裁判基準)の三つがあります。弁護士に依頼すると慰謝料の増額が見込めます。詳細はこちら:弁護士に依頼すれば示談額が増える訳(3種類の慰謝料支払い基準)

 

 

なお、鼻の後遺障害認定以外に「外貌醜状」の認定を受けることができれば、最高で7級認定を受けられます。7級認定の場合は1,000万円の慰謝料を請求できるでしょう(ただし、自賠責保険のみの場合は409万円)。

 

また、鼻の後遺障害が認められれば逸失利益を受取ることもできるでしょう。逸失利益とは、健康なまま働いていれば受け取れたであろう給料・賃金を加害者から受け取れるお金です。したがって、慰謝料に加えて逸失利益の請求もする必要があります。

 

■鼻の後遺障害なら弁護士に相談しよう!

 

鼻の後遺障害は生活・労働への影響が少ないとみられがちで、加害者(保険会社)が慰謝料減額・逸失利益否定をしやすいです。そして、後遺障害の知識の乏しい被害者の場合は、保険会社の言うように流されがちになるでしょう。そこで鼻の後遺障害認定を受け、正当に慰謝料・逸失利益を請求するなら「弁護士」に任せましょう

 

後遺障害に強い弁護士に依頼をしておけば、被害者に代わって権利を主張してくれます。その結果、被害者の皆さんは治療に集中することができるようになります。そのため、もし後遺障害の請求が必要あれば、保険会社の対応を弁護士がしてくれるでしょう。

 

■まとめ:鼻の後遺障害認定は弁護士にお任せください

 

交通事故で、鼻に後遺障害を負った場合の後遺障害認定について見てきましたがいかがでしょうか。鼻の後遺症には「欠損障害」と「機能障害」の2つがあります。どちらの場合でも後遺障害認定の対象になっているため、もし交通事故後に違和感があれば医師に診てもらいましょう。そして、保険会社に慰謝料・逸失利益を請求するのであれば、弁護士に力になってもらいましょう。

その際、弁護士費用特約を使うことが出来れば、弁護士費用も気にしなくて済みます。

参考:【交通事故】弁護士に示談を依頼するメリット+弁護士特約とは?

 

埼玉で後遺障害認定をご検討の方はエクレシアまで

 

埼玉県越谷市のエクレシア法律事務所は、南越谷駅・新越谷駅から徒歩3分とアクセスが非常に良い、当エクレシア法律事務所までお問い合わせください。

「弁護士」というと、敷居が高い・弁護士費用が高いというイメージを持たれることがありますが、今では多くの方が加入されている保険で弁護士費用特約が適用できれば、実質費用無しで弁護士に後遺障害認定や示談交渉・慰謝料請求を任せることが出来ます。

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