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交通事故で【重傷】なのに治療費打ち切り?過失割合と症状固定の時期

交通事故重症治療費打ち切りのイメージ

交通事故によって重傷を負った場合、怪我の程度によっては治療に相当な時間がかかる可能性があります。けれども、そんな被害者感情を無視するかのように、保険会社から比較的早い時期に治療費の打ち切りを宣告されるようなケースがあります。
では万が一あなた自身がそんなケースに陥った場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。

 

■交通事故の治療費打ち切りと症状固定

 

○そもそも交通事故の治療費はいつまでもらえるの?

 

交通事故の重傷事案においては、治療が長引くのが当然です。ただ、だからと言って加害者側が何十年も治療費を負担し続けるのも過度な負担となり過ぎてしまい妥当性を欠きます。

では、交通事故による治療費は、いったいいつまで加害者が負担してくれるのでしょうか

それはズバリ「症状固定」までです。症状固定とは、これ以上治療を続けても回復が難しいだろうと医師が判断した時です。

 

ちなみに、症状固定は、正式な医学用語ではありません。

ですから厳密に言うと、症状固定は医師でなければ決められない、というわけではありません。

例えば症状固定日をめぐって裁判になれば、最終的には裁判所が判決で症状固定日を認定します。

ただし、実務上はこれ以上治療を続けても回復が見込めるかどうかを判断できるのは医学的知識のある医師だけですから、やはり現実的には医師が決めるとするのが建前としては正しい考え方でしょう。

 

けれども、このように明確な定義がないため、交通事故の治療費を払わされる保険会社側からすれば、一日も早く症状固定としたくて仕方がないのです。

そのため「治療費の打ち切り」といった問題が生じてくるのです。

 

○症状固定日までの期間相場は決まっている!?

 

実は保険会社が症状固定を宣告して治療費の打ち切りを持ち出してくるタイミングというのは、ある程度相場が決まっています。保険会社によっても微妙に違いますが、概ね「事故後3ヶ月〜6ヶ月」程度で治療費の支払いの打ち切りを打診してきます

これは、むち打ち症やヘルニア、骨折だけに限らず、高次脳機能障害、脳挫傷、機能障害、麻痺、切断、といった重傷事案においても、そんなに大きくは変わりません。長くとも1年程度で症状固定を打診してくる可能性があります。

 

そもそも保険会社は、被害者個々の身体状況を細かくチェックして、症状固定日を見極めているのではなく、保険会社自身が過去に蓄積してきたデータをもとに、「むち打ちであれば3ヶ月」といった感じで症状に対するおよその症状固定日の目安をもっており、それに達した段階で、実際の被害者の症状がどうであれ、一方的に打ち切ろうとしてくるのです。

 

仮に保険会社が一方的に症状固定日を主張して、治療費の支払いを打ち切ってきた場合でも、そもそも症状固定日の明確な定義がない以上、それだけをもって違法ということはできないため、最終的には裁判によって再度症状固定日を争い、裁判で認められればその症状固定日まで遡って治療費を請求するという事になります。

 

■交通事故の示談交渉と過失割合

 

○交通事故の重傷事案は過失割合がとても重要

 

交通事故によって重傷を負っている場合は、症状固定日よりも実は「過失割合」の方が重要になってきます。

仮に慰謝料で高額が認められたとしても、被害者側の過失相殺が大きければ、実際に手元に来る金額は大きく下がってしまうからです。

まず注意すべきことは、早期に交通事故に強い弁護士に相談するということです。なぜなら、交通事故で重傷を負うと、怪我の治療が長引くことになり、症状固定までの間は治療費や慰謝料、休業損害などの金額が確定しないため、事実上示談交渉がストップすることになります。

けれども、場合によっては交通事故の早期解決という観点から、担当する保険会社や弁護士によっては、損害額の算出はとりあえず症状固定まで保留にしておいて、先に「過失割合」だけ決めましょう、という話になることがあります。過失割合の認定自体は、被害者の怪我の程度とは直接的には関係がないため、症状固定を待たずとも、事故の状況がはっきりと分かれば当事者間で話し合って決めることができます。

これを一般の方は「物損部分の過失割合」なんて言ったりしますが、そもそも過失割合は、人損と物損を違う割合で認定するということは原則ありません。症状固定前に過失割合の認定をしようとするため、物損の過失割合と誤解してしまうようなのですが、これは過失割合そのものを指しています。

ですから、仮にこの時点で被害者側の過失割合を30で合意した場合は、最終的に治療が終わって症状固定した段階で、治療費、慰謝料、休業損害、逸失利益、後遺障害慰謝料を再算定し、これを予め合意しておいた過失割合に当てはめて、最終的に支払う賠償金の総額を算出するのです。

 

ですから、症状固定前に話し合う過失割合の認定は、実はものすごく重要なのです。

 

そしてここで問題なのが、通常、症状固定前の段階では被害者の多くはまだ弁護士に相談していないケースが多く、症状固定後に弁護士が介入したときには、既に一方的な過失割合が認定されているということが起きることです。

 

たとえ素人が決めた過失割合 だとしても、一旦合意してしまうとその内容を覆すのは弁護士でも至難の技です。

そのため、自己に不利な過失割合を認定されないためにも、交通事故によって重傷を負った場合は、症状固定を待たずできる限り早い段階で交通事故に強い弁護士に相談しましょう

 

○交通事故示談交渉で大幅な過失割合の変更を勝ち取った解決事例

 

当事務所には、交通事故に強い弁護士が在籍しており、解決してきた交通事故の示談のケースが多数ございます。

例えば、当法律事務所での解決事例として、後遺障害等級12級に認定されたケースで、保険会社からの提示された示談額が340万円と低く計算されたケースがありましたが、当事務所の交通事故に強い弁護士による弁護士基準(裁判基準)の主張が認められ、1,010万円アップの1,350万円の示談として成立したケースがございます。

詳細はこちら:後遺障害等級第12級で1010万円アップの1350万円で示談成立の事例

過失割合を見直したケースで、ご相談者の方の過失を限りなくゼロにすることができたため実現した結果です。

 

埼玉県越谷市にある当事務所は、越谷市だけでなく、周辺の春日部市や草加市、川口市、吉川市、三郷市、八潮市、また東京都足立区などからも、ご相談を多数頂いております。交通事故の被害に遭われた方は、なるべく早めの弁護士相談をおすすめします。まずはお電話もしくはメールにてお問合せください。

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