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交通事故の示談が決裂!→少額訴訟は使えるのか?

交通事故示談と少額訴訟(裁判)のイメージ

知人から、少額訴訟という制度があることを聞きました。通常の交通事故の裁判との違いはあるのでしょうか?また過失割合に納得がいかない場合はこの少額訴訟をやったほうが、メリットがあるのでしょうか。それともデメリットのほうが大きいでしょうか。

 

■少額訴訟は、通常訴訟と異なる点が多々あります。

 

交通事故の損害賠償問題を解決するために、少額訴訟が使えるかどうかを説明するには、まず少額訴訟の特徴を抑える必要があります。

少額訴訟が通常の訴訟と異なる点は、主に次の通りです。

 

1:被告に請求する金額は、60万円以下でなければならない。

 

少額訴訟は、あくまで少額な金額の請求にしか使えません。その上限は60万円です。

そもそも少額訴訟とは、弁護士に訴訟代理人を依頼した場合に、費用倒れ(弁護士に支払う報酬の方が請求額を上回ってしまうケース)を防ぐため、そして事件の早期解決のために設けられている制度です。

そのため、請求額が60万円を超える場合は利用できません。

 

交通事故の場合は、治療費、慰謝料、休業損害、逸失利益などが累積すると60万円を超える事も多いため、60万円以下となると軽い物損事故程度の案件に限られます。

 

なお、年に10回までしか利用する事が出来ないのも特徴です。

 

 

2:裁判は1回の審議だけで判決が出る。

 

通常の訴訟は、月に1回程度裁判期日が設けられ、長ければ数年がかりで争う事になります。この点少額訴訟は、たった1回のみで判決がでるため、さっさと解決したい人にとっては利用価値が高いと言えます。

 

ただ、裏を返せば、たった1回の審理のみで判決をださなければならないため、交通事故で過失割合など細かく争っているような場合は、そもそも少額訴訟に馴染まないため、裁判所に訴状を持参しても、通常訴訟を勧められる可能性が高いと言えます。

 

■少額訴訟の落とし穴:相手の同意が必要

 

少額訴訟を利用するには、被告側も少額訴訟を利用する事に賛成してくれなければ利用できません。もしも相手方が通常訴訟を希望した場合は、通常訴訟となってしまいます。

 

■少額訴訟が向いているケースと向いていないケース

 

1:少額訴訟が向いているケース

 

交通事故の加害者側が任意保険に入っておらず、なおかつ弁護士を立ててこないような場合は、少額訴訟によって解決する選択肢があります。

但し、先ほど申し上げたように60万円以下で簡単な内容でなければならないため、実際には追突による物損や軽い接触事故などに限られるでしょう。

 

2:少額訴訟が向かないケース

 

まず大前提として交通事故の相手方が任意保険に加入している場合は、こちらから少額訴訟を起こしても、まずそれには応じてもらえないでしょう。

少額訴訟は1回しか審理されませんので、交通事故の場合は事案が正しく処理されないのでは、という懸念が常にありますので、保険会社側は通常訴訟を希望するでしょう。

 

また、加害者側が弁護士を立てている場合についても、少額訴訟の利用は難しいでしょう。弁護士の視点からすると、少額訴訟は、1パツ勝負で、どうなるか予想できない部分もあります。また、訴訟準備も1度にさまざまな事を想定して手配しなければならないため、交通事故の場合、加害者側の弁護士は利用したがりません。

 

以上のような理由から、少額訴訟を利用しようとしても、相手方の同意が得られない可能性が高いため、単純で少額な交通事故以外は、通常訴訟になると考えた方が無難です。

 

通常の裁判にて、交通事故の問題・トラブルを解決するのであれば、兎にも角にも交通事故の裁判に実績がある弁護士に依頼するほうが安心です。

 

当事務所では交通事故に関する裁判も手がけており、実績がございます。

まずはお問い合せください。ご一緒に今後の対策を立てていきましょう。

 

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