知らないと大損?【自転車事故】過失割合のリスクと対策とは?
目次
■自転車による交通事故が問題に?
交通事故というと、車と車がぶつかる、又は車が人をはねるといった構図を連想される方も多いかと思いますが、実は「自転車と自転車」や「自転車と人」がぶつかった場合も交通事故に該当します。
あまり知られていませんが、実は道路交通法上、自転車は「軽車両」というカテゴリに分類されており、万が一事故を起こした場合は警察への報告義務もあります。
最近になって自転車事故に関する高額な賠償判決が大きく報道されたため、全国的にも自転車事故に対する関心度が高まっています。ここまで自転車事故の関心度が高まった背景には、実は一つの大きな要因があります。
○自転車には自賠責保険がない。
そうです。自転車には自動車保険のような強制加入保険がなく、また自転車保険がまだメジャーではなかったため、万が一自転車で人にぶつかってしまって怪我をさせた場合、治療費、慰謝料、休業損害などは全額実費負担となってしまうのです。これが自転車事故をここまで注目させた大きな要因なのです。
自動車事故の場合で任意保険に加入している場合は、たとえ高額な賠償命令が出たとしても、実質的にそれを負担するのは保険会社ですから、加害者本人としては保険料が上がるくらいで人生が破滅するほどの打撃は受けません。
けれども自転車事故で相手に重傷を負わせてしまうと、すべて自己負担ですから下手をすると一生を棒に振るほどの負債を抱えることになる可能性もあるのです。
特に最近では小学生、中学生、高校生くらいのお子様が高速で自転車を走行中、人にぶつかってしまい、とんでもない金額の賠償金を抱えてしまい、一家が路頭に迷うといったようなケースも実際におきているようです。
○自転車事故は、示談が進まず泥沼化するケースが多い。
自転車事故は車やバイクの交通事故と違い、警察への報告義務があることを知らない人が多いため、万が一事故が発生しても当事者同士で話し合って解散してしまうケースが多く、後日示談交渉が拗れる傾向にあります。
特に自転車事故は双方が保険に加入しておらず、素人である当事者同士が直接示談交渉をするため、そもそもそう簡単に示談交渉がまとまるはずもないのです。
○過失割合の認定が非常に難しい。
自転車事故の場合、ぶつかってしまった自転車側が一方的に悪いと思い込み、被害者である歩行者も自分自身が完全に被害者だと確信しているケースが多いため、自然と100:0の過失割合で話し合いが進んでいたりしますが、実際に弁護士が介入して検証してみると、実は歩行者側にも過失が認められるケースというのはかなりあります。
ただ、自転車事故の場合は先ほども言ったように警察を呼んで処理をしていないケースが多いため、事故状況がわかる証拠に乏しく、過失割合の話し合いが難航する傾向にあります。
また場合によっては、これがエスカレートして、被害者側から高い慰謝料をふっかけられる恐れも出てきます。
■自転車事故に遭ったら、必ず警察に通報!そして弁護士にすぐ相談を!
警察への通報についてここで声を大にして言うのは、報告義務があるためでもありますが、実は理由はそれだけではありません。最も重要なことは、警察を呼んで「実況見分調書」を作成してもらうことです。
実況見分調書とは、事故の状況を記録した公式な記録として扱われるため、過失割合の認定において最も重要な証拠となります。
万が一示談がもつれて交通事故裁判、つまり民事訴訟になった場合は、この実況見分調書の内容がさらに重要となります。
反対にこれがないと、自転車事故の過失割合に決着がつかない可能性もあります。ですので、万が一自転車事故に遭遇した場合は、自分が被害者、加害者どちらの立場だったとしても、必ず警察に通報して実況見分を行なって記録を残してもらいましょう。
自転車事故のポイントは、自転車事故であっても車の事故と同じように対応することです。まずは警察に通報し、実況見分を行ない、その後できる限り当日中に病院で診察を受けて怪我があるようであれば必ず診断書を書いてもらいましょう。これらをきちんと行なっておけば、自転車事故でも車の事故と同じように示談交渉を進めることができます。
■自転車保険に加入しましょう。
自転車事故のリスクを回避するためには、必ず自転車保険に加入することをおすすめします。自転車保険は保険会社だけではなく、携帯電話会社やIT関係の会社まで参入してきており数多くの保険商品が出ています。また保険料も自動車保険に比べかなり低いため、是非ご加入をおすすめします。
■自転車事故は弁護士の介入が何より重要です。
このように自転車事故は車の事故に比べて判例が少ない上に警察を呼ばずに当事者同士で示談をすることが多いため、過失割合の判定が難しい傾向にあります。そのため、弁護士を立てないまま相手と示談を進めてしまうと、知らず知らずのうちに不利な示談内容に近づいていってしまう可能性があります。
示談を正しく成立させるためにも、事故発生後は早急に弁護士に相談し、今後の示談交渉の窓口を代わってもらった方が、より適切な示談が実現するでしょう。
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