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会社の車をぶつけた!社用車・営業車の事故は自己負担なの!?

社用車・営業車の事故のイメージ

仕事で会社の車、いわゆる社用車を運転することがあるかと思いますが、万が一、得意先への営業中、出張中に社用車で事故を起こしてぶつけた場合、その後の損害賠償についてはだれがどのように負担するのでしょうか。営業車に乗っていた社員が全額自己負担となるのでしょうか?

 

■社用車ぶつけた。やっぱり自己負担?会社の責任?

 

当たり前のことですが、車を運転して事故を起こした場合は、例え会社の車だとしても運転者は当然に被害者に対してぶつけた損害賠償責任を負います。さらに、社用車の場合はその車を所有している会社についても損害賠償責任が発生してきます。

なお、会社は次の2つの法的根拠によって、損害賠償義務を負います。

 

〇使用者責任

これは民法に定めがあり、社用車・営業車の事故に限らず、自社の従業員が業務遂行中に他人に損害を与えた場合は、雇用主である使用者としての責任を会社は取らなければなりません。そのため、使用者責任は、例え乗っていた車が従業員個人の所有物だったとしても、業務遂行中の事故であれば、会社は会社の車の使用者責任を追及される可能性があります。

 

〇運行供用者責任

こちらは自賠法に定めがあります。社用車による事故の場合は、裁判上は使用者責任と同様またはそれ以上に広く責任範囲が認められる傾向にあります。但し、運行供用者責任は、「人身事故」の場合にのみ適用されますので、物損事故の場合は成立しません。

 

■社員は損害賠償を全額支払うべき?

 

社用車・営業車で事故を起こした場合、社員と会社の関係は、連帯責任となります。これを法律用語で「不真正連帯債務」と言います。

そのため、事故にあった被害者は、社員と会社の一方または双方に損害の全額の請求が可能となります。

 

〇ケース1:会社が被害者に弁済した場合

このような事故が発生した場合、一般的には支払い能力の高い会社側に被害者が請求するのが通常の流れです。そして、もしも会社が損害賠償の全額を被害者に対して支払った場合は、会社は事故を起こした社員個人に対して、「お前のせいで会社の車をぶつけて事故が起きたんだから、会社が負担した分を全額自己負担しろ」と言って請求することができます。この権利を「求償権」と言います。但し、会社が支払った全額の求償は認められず、一定の制限がかかります。

 

〇ケース2:社員が被害者に弁済した場合

もしも社員に損害賠償できる資力があり、速やかに全額を被害者に対して弁済した場合、その後会社に対して求償出来るかどうかが問題となります。ただ、使用者責任や運行供用者責任は、事故にあった被害者を保護することを目的としているため、社員から会社に対する求償は「逆求償」となり成立しないと解されています。

 

どちらにしても、事故で会社の車をぶつけた場合、出来る限り速やかに被害者に対して損害賠償義務を果たす必要があります。会社側と自分の自己負担分に関して、内部的な負担割合を争い被害者に迷惑をかけるようなことだけは避けるべきでしょう。

 

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