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解決事例

加害者側の不誠実な態度を慰謝料増額事由とした事例

事故後、加害者は無視して走り去ろうとした上、被害者に暴言を吐くという不誠実な態度があったので、慰謝料を30%増額した事例

相談者

Aさん 30代 女性 パート

相談前

一時停止のある交差点で安全確認のため停車した相談者の車両に相手方の車両が追突。相手方は、相談者に「俺の進路を妨害した。邪魔だ。お前が悪い。」等暴言を吐き、そのまま現場から走り去ろうとしましたが、居合わせた人に止められました。相談者は、頸椎捻挫等の傷害を負い、約6ヶ月間通院し治療終了しました。相談者は、自分は何も悪くないのに悪者扱いされた悔しさで、何とかして欲しいと事務所に相談に来られました。

相談後

当事務所は、相談者が事故現場で被害者から暴言を吐かれ、走り去ろうとしたことに、大変な悔しさを感じておられたので、保険会社に事の顛末を説明し、慰謝料を増額することを主張しました。その結果、通常であれば90万円のところ、30%増の120万円の慰謝料を獲得できました。

弁護士からのコメント

慰謝料の増額が認められる理由の一つに「加害者側の態度」といった事情が挙げられます。

具体的には、交通事故の際に被害者を救護しなかった、被害者に謝罪しない、交通事故に関して嘘をついたり、不合理な弁解をする等がある場合には、慰謝料を増額すべき事由として考慮されることがあります。

ただ、慰謝料の増額が認められるのは、加害者側の悪質性を理由として、被害者に通常以上の賠償を認めなければ、公平を失すると考えられるような場合に、こうした被害者を救済する点にありますので、裁判上は、相当悪質なケースに限定されています。したがって、単に嘘をついたとか、見舞いに来た加害者の態度が反省しているように感じられず不誠実に思う、といった程度では、「著しく」不誠実な態度とは評価されません。

通常は、慰謝料の増額は、なかなか認められないのですが、本件のように、現場から走り去ろうとした事情、何の落ち度もない被害者を悪者扱いする態度等を考慮すると、増額が認められてもいいケースではないでしょうか。