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交通事故で卒業旅行キャンセル!大学受験浪人に!慰謝料にプラスして損害賠償はできるの?

交通事故で卒業旅行キャンセルのイメージ

交通事故で、卒業旅行をキャンセルしました。キャンセル料と行けなかった精神的苦痛は請求できるのでしょうか?
さらに事故の影響で大学不合格になりました。1年間の浪人生活にかかる勉強代も請求できるのでしょうか?

 

■損害の種類を整理してみましょう。

 

このような特殊な事例を考える場合は、その損害の内容を分類して考えると分かりやすくなります。

 

1:卒業旅行のキャンセル料

これは、損害の中でも「財産的損害」に該当します。例えば旅行に向かう途中で事故に遭い、すべてキャンセルする事となった場合は、「事故によってキャンセル料が発生した」という因果関係が認められる可能性があるため、キャンセル料の請求は可能と考えられます。

 

但し、ここからが重要です。

請求できるという事と、保険会社が支払いに応じるという事は別問題です。

治療費など一般的に予想できる損害については、保険会社もすんなり支払いに応じますが、このような特殊な事情については簡単には考慮してくれません。そもそも、ウソだと受け取られる可能性もあります。

 

そのため請求するのであれば、実際の旅行日程や支払ったキャンセル料の領収書などの証拠書類は必ず必要になると考えましょう。

 

 

2:卒業旅行に行けなかった事に対する慰謝料

これは「精神的損害」に該当します。

はっきり言いますが、これは無理でしょう

 

そもそも車に乗っていたという事は、どこかしらの目的地に向かって走行していた可能性が大です。

「遊園地に行けなくなった」

「レストランに行けなくなった」

「待ち合わせに遅れた」

など、言い出したらきりがありません。

これらの慰謝料については、通常の傷害慰謝料の範囲内と考えられます。

 

よほどの理由があれば、裁判上何かしらの配慮がなされる可能性はありますが、少なくとも示談交渉の上では、認められないケースが多いと思われます。

 

 

3:浪人生活の勉強代

これも無理でしょう

これは交通事故に限った問題ではありません。

 

そもそも交通事故は民法で言うところの「不法行為」に該当します。

民法では不法行為から生じた全損害を加害者がすべて賠償するとなると、あまりに過酷であることから、「事故との相当因果関係」が認められる範囲内に損害賠償を制限しています

 

そして「相当因果関係」とは、原則として「通常生ずべき損害」の賠償としています。

 

なお、通常生ずべき損害とは、以下のような場合を言います。

「当事者がその損害を予見し、又は予見することができたとき」

つまり、加害者に全く予想ができないような損害についてまでは、認められないという事です。

 

ただ、この相当因果関係については、裁判上争点となる可能性が大いにあります。あまりにも被害が大きく精神的に納得できない場合は、勉強代を直接請求できなくとも、その他の個別的な事情と相まって慰謝料を増額させる一要因とできる可能性はゼロではありません。

 

 

示談交渉で重要なことは、どの項目でいくらもらうかということではなく、賠償金の総額を少しでも増額させることです。

交通事故に強い弁護士は、この辺りの交渉にとても強いので、もしもこのような状況に直面した場合は、早めに相談する事をお勧めします。

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